世界シェア約40%!繊維業界の生産・品質を支え続ける「村田機械株式会社」
糸の素材や太さに合わせて機械をカスタマイズする技術力と発想力
1935年の創業以来、工場やオフィスオートメーションのトータルメーカーとして進化し続けている「村田機械株式会社」。世界中のモノづくりには欠かせない存在となっている中、大手紡績メーカーにおける世界シェア約40%を誇る紡績機械の開発・製造を担っているのが石川県にある「村田機械株式会社加賀工場」です。
加賀工場で生産されている空気の力で結び目なしに糸をつなぐ装置マッハスプライサーを採用した「自動ワインダー」は世界の繊維業界に衝撃を与えました。現在、ハイクオリティな商品を生み出せる機械として世界各国の紡績工場で取り入れられています。
地元・加賀出身の工場長 山本一穂さんは「年々ファッションは変化しますよね。合わせてアパレルメーカーに素材を提供する紡績会社の要望も変化していくわけです。糸の太さだったり、織り方だったり…。クライアントごとに加賀工場では機械をカスタマイズし、個別受注生産を行っていますが、これが本当に面白いのです!」と熱く話してくれました。
繊維業界の流行は毎年目まぐるしく大変ですが、難しい注文であるほど達成感が得られるそうです。工場内の生産ラインでは毎日300~400台もの自動ワインダー(QPROⅡ機)が生産されています。併せて、村田機械でしか製造していない、革新精紡機(ボルテックス精紡機870Ⅲ)で、他にはない糸づくりを開発し、紡績、アパレル業界に新しい旋風を巻き起こしています。
世界屈指のクオリティは、風通しのよい職場から生まれる
総務課課長である西田卓二さんは、工場長・山本さんとは同級生。同じ高校を卒業しているよしみでもあり、2人の絆はとても深いように感じました。総務課の課長として、開発や生産に取り組む社員の働きやすい職場作りのために、山本さんと一緒に日々動いています。
「普段、直属の上司になかなか話せないことでも、気軽に話してくれる社員が増えました。社員の約40%が女性ということもあり、社内でコミュニケーションの取りやすい雰囲気は大事にしています。あまりにもみんなが気さくすぎて驚くほど」と笑いながら話す山本さん。女性社員の能力の高さは素晴らしく、男性社員へのいい刺激になっていることも教えてくれました。
また、西田さんは、現在70名ほど在籍するベトナムからの技能実習生たちのサポート業務を中心に日々駆け回られており、自国を離れて働く社員とのコミュニケーションをとても大事にしています。
社員の声をうけて3年前に新しくなったのが「社員食堂かがやき」。開放的な心地よい空間なのはもちろん、食事代が1食150円とリーズナブル!新設後は殆どの社員がこの場所で昼食をとるようになり、ランチタイムがより活気づいたそう。
広い庭ではBBQもでき、食堂横にある多目的ルームにはカラオケも設置されています。食べ物やお酒を持ち寄って楽しめる場所が社内にあるなんて素敵ですね!
また会社の年間休日も120日あり、有給の消化率も高いそうです。社員同士のコミュニケーションが円滑に図れること、自身のオンオフをしっかり分けられること、それも高い品質の製品を生み出すモチベーションへと繋がっているのではないでしょうか。
変化し続ける繊維業界を支えるための展望
品質の高さに定評があることから、世界中の取引先からの需要が増え続けていることもあり、現在増産を予定している加賀工場。増産に伴って、一緒に盛り上げてくれる社員を募集されています。「現在は人材の育成にも力を入れています。毎週のミーティングで社員同士で改善案を話し合い、小さなテーマでもコツコツとアイデアを積み上げています」と山本さん。
その成果もあり、全社で行われているコンペでは加賀工場のチームが毎年のように優秀な成績を収めているのも大きな自慢です。
「技術的なことは入社後に先輩たちが現場で指導してくれます。挨拶がきちんとでき、元気で熱意だけは負けない!というそんな方と一緒に会社を盛り上げていきたいと思っています」
これからは、IT、IOTやAIのように情報技術の変革で、工場全体のシステムの構築が急がれています。その分野が得意で興味のあるやる気のある方を求めています。
さらに、今後の展望についてお聞きしました。「クライアントの細かな要望に応え続けることが私たちの義務だと思っています。ファッションは地域や年代に応じて様々に変化・進化していくので、そのための品質・効率の向上に向けて、さらに会社も進化し続けなくてはいけません。2022~23年に向けて新しいプロジェクトも動き出しているので、その実現を楽しみにしていてください!」
とても話しやすい雰囲気の山本さんと西田さん。加賀から生み出される世界品質の機械は、アットホームな会社の雰囲気だからこそ、なせる技なのだと強く感じました。