世界に通用する高い品質でサンケングループを支える マザー工場
- #地域企業
グループ企業の中核となるアセンブリーメーカー
自動車をはじめ、パソコン、デジタル家電、オーディオ機器などの半導体を生産している石川サンケン株式会社。サンケングループ企業の8割の半導体を生産するアセンブリーメーカーとして、高い技術を保ち、生産性を上げるための取り組みや、地域企業としてのあり方について、総務人事部副部長の中谷さんにお話を聞きしました。
「売り上げの約50%を占めているのは車載半導体ですが、TVの電源IC・Diからスタートして以降、弊社の蓄積された技術が強みとなり、近年は省エネインバーター化におけるIPM(モーター制御用ICモジュール)の生産比率が伸びています。私たちが常に目指しているのは世界に認められる安定した品質です。これからもお客様の信頼と期待に応えるものづくり工場として生産性を高めるために、スマートファクトリーやIoTを進め、無人化ラインの構築に力を入れています。」
能登の過疎化対策から始まった企業として未来を考える
羽咋郡志賀町に広大な敷地を構える石川サンケンは、能登の過疎化対策の一環として行った石川県による企業誘致により、サンケン電気株式会社が県内各地に設けた5つのグループ企業を1978年に統合して生まれました。創業40周年を迎え、12月には新しい社員寮が完成予定。UターンやIターンの社員にも快適に暮らせる環境を整えています。
「ピーク時には2000名ほどの社員が働いていました。現在は機械による自動化が進み、約1200名ほどですが、社員とその家族の総数を考えると能登の過疎化対策という一定の目的は果たせていると思います。しかし、まだまだ技術者の確保が大きな課題としてあります。中途採用で設備保全・生産技術・製造技術・画像技術などの技術者を積極的の募集しております。」
創業当時は女性社員の割合が9割を占め、自治体と協力して乳児園も運営していたそうです。現在では男性社員の割合が多いですが、女性社員が育児休暇に入ってからの復帰率は100%。女性にとってそれだけ働きやすい会社であることがわかります。人材育成には専門部署を設けるなど、社員のスキル向上に力を入れています。
「一昨年に技術関係におけるスキル向上の『ものづくりセンター』、昨年には階層別教育を中心とした教育部門の『人材開発課』を新たに独立させ、社員の育成をしています。今まではそれぞれ各グループで育成をしていましたが、近年では会社全体で統一された教育体系を実施しています。」
グループ企業が持つ技術の強みを生かした地域貢献活動
地域との関わりを大切に考え、創業当時から清掃活動や子供もの作り教室、中高校生からのインターシップの受け入れなどの地域貢献活動を積極的に行っています。
「私たちは世の中がCSR(企業の社会的責任)を意識するずっと前から『子供ものづくり教室』を実施していました。少しでも多くの人に小さい頃から石川サンケンを知ってもらい、ものづくりの楽しさを感じてもらうことが目的ですが、ものづくり教室に参加した方が入社することもあり、大変嬉しく思います。」
また、地域貢献活動の一つとして輪島市千枚田の「あぜのきらめき」の太陽光発電LEDも石川サンケンがグループの強みを生かして行政に提案したものです。
「冬の能登の観光誘致として輪島市が各企業に提案を求めた際、サンケングループではLEDも生産しているので、太陽光発電LEDのオリジナル商品を提案し、採用していただきました。今では日本各地で地域活性化のための様々なイベントで使われています。」
千枚田には美しいライトで輝くその景色を見るために寒い冬でも多くの人が訪れ賑わっています。グループ企業が持つ技術の強みを生かして、自治体や地域の盛り上げに多いに貢献しています。
若者が仕事にやりがいを見出せる企業体制
仕事のやりがいと会社の魅力について、若手社員3人に聞きました。
八十島さん(総務人事部人事課/入社1年)
「私は主に新卒の採用活動を担当し、優秀な人材を採用するためのプランニングにやりがいを感じています。新しい技術をどんどん取り入れているので、学生さんたちも自分の研究が活かせることに興味を抱いてもらうことも多く、説明しがいがあります。また、現在パワーエレクトロニクスが世界的にとても注目されているので、サンケングループの一員として地球全体に貢献できることが誇りに思います。」
安念さん(生産技術課/入社2年目)
「工場の合理化・無人化による設備の設計を担当しています。技術総括部には様々な部署の社員が集まり、協力しながら業務を進めています。入社研修後、すぐに現場での実践は正直大変で難しさもありましたが、自分のアイデアもすぐに採用してもらえたので、働いていることを実感できました。また、学びたいことを伝えるとすぐに出張などに行かせてもらい、期待されていると感じることが喜びとやりがいにつながります。会社全体の人柄はすごく良く感じます。能登の方はおおらかでなんでも受け入れてくれるので、とても話しやすいです。」
久保さん(画像技術課/入社2年目)
「私は今まで人による目視確認で行っていた商品検査を画像確認に移行するための技術開発を担当しています。新しい分野なので大変な部分も多いですが、上司や先輩が丁寧に教えてくださり、仕事を覚えていく中で自分の提案が通った時などはとてもやりがいを感じます。技術総括部は年齢層も若くて気の合う仲間が多いので、計画を立てて休みの日に飲みに行くなど、他の会社ではあまりないような人付き合いができていると思います。」
石川県にありながら世界を舞台に活躍する石川サンケン。車載半導体を核に、省エネを実現するパワーエレクトロニクスに強みがあるなど、今後も地球規模での社会貢献に活躍の場が広がります。