トップ 移住者インタビュー 手間を掛けた密度の濃いコミュニケーションで、共に成長したい!

2018.06.08

手間を掛けた密度の濃いコミュニケーションで、共に成長したい!

時代とともに、“選択”しながら70年

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創業70年を迎える共和電機工業株式会社。創業当時から、電気・ロボットなど幅広く事業を展開。「同じことをやっているのは後退」という社長の言葉通り、進化を遂げてきました。平成4年には、繊維機械大手の津田駒工業の子会社となり、グループ会社として一層の技術的進歩と量産技術を磨き、親会社の世界的シェア拡大に貢献。現在では、この繊維機械制御装置に加え、駅のプラットホームの開閉装置やトンネル掘削機の大型制御装置などの製造も手がけています。また工作機械の周辺装置として、材料などを搬送する搬送装置の設計から製造も行っており、これが会社の2本の柱となっています。

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制御装置、工作機械周辺装置ともに世界で活躍する業界大手に納品しており、求められる「技術レベル」、「品質」「コスト」、「納期」は相当なもの。お客様の満足する製品を提供するために必死についていくことで、会社のさまざまなレベルも向上、進化しています。
そして技術の進化に併せて、人の確保にも力を入れるようになり、15年前に採用の大きな転機を迎えました。

女性も障がい者も働きやすく!制度より「風土」が自慢

15年前「毎年採用しないと、職場が活性化しない」と感じて、定期採用へとシフトを図りましたが、なかなか男性の確保をすることができませんでした。そのときに、ものづくりの道へ進めない「女性」の存在を知り、積極的に採用して、制度を整え始めます。育児休暇は3年。復帰後の短時間勤務は小学3年生終了まで。短時間勤務は6時間勤務を満たせば、自分で時間の組み合わせも可能で、夏休みだけ時短という選択もできるようにしました。

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「制度がどんなに充実しても風土が伴わないと!」と思っていましたが、みんなに理解があり、女性も働きやすい環境が出来てきたと言います。「今後も女性ができる仕事を増やしながら、採用していきたい」と総務部長の杉村昌則さんが話してくださいました。杉村さんは入社24年目で、製造・設計そして営業から総務に。多くの良き先輩、上司、仲間とのご縁に恵まれ、またさまざまな職種に挑戦し鍛えられてきました。諸先輩にお返しすることは出来ませんが、その代わりに、今度は杉村さんが若者一人ひとりの成長スイッチを見つけ、環境を整え、恩返しをする番だと思っています。

また、杉村さんは障がい者雇用にも積極的に挑みました。きっかけは、10年前、持参した求人票を「障がい者のトライアル雇用にしませんか?」とハローワークから相談を受けて、「やってないのに断る理由がない」と引き受けたこと。そこから社内で知恵を絞りながら雇える環境を整えていきました。今では全体の4.5%が障がい者雇用という割合にまでなったと言います。それは、従業員の理解と努力の賜物だと考えています。例えば、作業指示は主語・述語だけで短く分かりやすく書き、想定される作業指示は事前につくっておくこと、良いものと悪いものは写真で並べて分かりやすく説明する、プライベートもフォローするために受け入れた職場では上司と障がい者で交換日記をつけています。親御さんに安心していただけるように、会社のイベントの写真に手紙を添えて贈ることもあるそうです。

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また、社員が昇格したときも社員の家族宛に手紙を書くこともあります。家族にもファンになってもらい安心感を届けたい。そんな人への優しい心遣いが、自発的に社内全体に広がっていて、仕事をすることは人と人が絆でつながり、新しいものが生み出されて「幸せ」な場所なのだという当たり前を、この会社では感じることができました。
採用の際、この手紙というラブレターを受け取ったUターンの社員、藤井陽介さんもこの会社に見せられた人の1人でした。

互いのことを理解し合う思いやりで溢れる会社

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藤井さんは石川県の出身で、4月に入社したばかり。この会社へUターンした決め手は、転職なのに「新しいチャレンジをしませんか?」と言ってもらえたことが嬉しかったから。現在藤井さんは技術課に勤務していますが、技術部署と製造部署が近く、気軽に現場を見に行けるので、ちょっとした問題があってもすぐに話し合うことができるそうです。「この会社の魅力のひとつは、組織が小さい分、いろんな機会が巡ってくることなんです。今年、会社がインターンシップ生を受け入れたときは声をかけてもらい、インターンシップ生と一緒に製造現場の改善提案に取り組みました。今その経験がプリント基板の設計業務に役立っています。」と話す藤井さん。今後も着実に自分のやれることの幅をこの会社で拡げていきたいと考えています。

杉村さんも藤井さんも「中小企業だから、互いのことも仕事も理解しあえる」と話されましたが、この言葉以上の愛がこの会社には溢れていました。
会社に関わる人をこんなに笑顔でいっぱいにできる共和電機工業株式会社は、経済産業省「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれています。人と技術を伸ばし、今後さらに、働きやすさから「働きがい」を達成していきたいという目標を掲げ、前に進みます。

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