トップ 移住者インタビュー “落雷から電気設備を守る”パイオニアの熱意とは?

2016.11.05

“落雷から電気設備を守る”パイオニアの熱意とは?

電気設備を落雷から瞬時に守る「神技」

雷は毎日いろいろなところで発生しています。雷が落ちて、人が感電するというニュースを見ることがありますが、もしも雷が電気設備を直撃したらどうなるでしょうか?一般家庭に雷が落ちた場合は、テレビが見られないなど、生活に支障が出るというレベルですが、もしも国の機関やインフラ、会社の電気設備を直撃したら、どうなるか想像してみてください。

そして重要なのは、設備を止めるのは、雷が落ちた一瞬だけで、一瞬以外は電気設備が動くように対応しなければいけないことです。その一瞬の落雷から電気設備を守る「避雷器」を開発したのが、激雷地域の北陸にある「森長電子株式会社」です。そして、この避雷器の誕生秘話がとても熱いのです。

トップ技術を詰め込んだ「避雷器」が誕生した訳

雷は、電気機器の電源ケーブル、信号ケーブル、接地ケーブルから機器内に侵入し、部品等まで破損させます。もちろんケーブルに異常が出ることもあり、どこにトラブルが起きたかを見つけるのが困難なことや、ひどい場合には、まる焦げになることも考えられます。それは大規模な設備であるほど甚大な被害になります。

開業当初は電子システム普及の時代。森長電子株式会社も、電気設備のシステム施工・設計・保守を主力事業にしていました。こんな被害があるなど想定もしておらずに、施工をいろいろな取引先と重ねていく中で、雷に悩まされることが増えていくようになりました。

実は会社がある北陸は激雷地域。特に夏だけでなく冬でも雷が発生し、これは世界的にも非常にめずらしい気象条件です。しかも冬の雷は、雷雲が低く広範囲なので、膨大なエネルギーの落雷が発生しやすいのです。さらに最近のゲリラ豪雨に伴う落雷に至っては、いつ、どこで発生するのか分からないのです。このような雷の脅威と戦ってこそ、電気システムをまかされているお客さまのためになるのではないかと立ち上がります。

自分たちも取引先も悩まされた雷から守るために、素人同然だった会社が必死になって、独自の「サージエネルギー減衰方式」という技術を開発し、どこにも負けない避雷器が誕生したのです。森長電子の避雷器と他社の避雷器を導入した会社の電気設備に雷が落ちたときに、「他の避雷器は全部だめだったけど、森長電子のだけは大丈夫だった」と言われたときがすごく嬉しかったそうで、こんな良さが口コミで広がり、ほとんどの行政機関や大企業はこの森長電子の避雷器を導入されています。JAXAでも使われているほど、雷害から守れることは実証済です。

こんなすごい会社がここ石川にあるのです。

雷害から顧客を守るという使命を貫く

「この独自性能の避雷器を、雷害で困っている会社に更に広げていき、使命を果たしていきたい」と想いを教えてくださったのは、経営管理部の石川勇一さん。

会社の魅力を伺うと、石川さん自身、この会社に出向というかたちで来て、約3年。いろいろな場所で仕事をして来たそうですが、石川からは離れたくないほど、住みやすく石川の人がすごく好きだそうです。この会社の魅力も石川らしい「人が正直・素直」な点と、それを裏付けるように社長もみんなの想いを知りたいといつも社長室の扉を開けていると言います。また、扉が開いていることからも分かるように、会社の風土は、やりたいことがやれて、努力すれば必ず報われる環境があると教えてくださいました。

顧客満足を追求し続ける熱心さがあるのも魅力と語り、現在雷から“完全”に守る避雷器はないと言い、大きさも現状大型のものばかりで導入しにくい点もあるので、もっと技術と品質を極めていきたいとのこと。今後は、異常気象における需要もあるのでは?と今後の展望もきちんと見据えています。技術と品質を極めて、より多くのお客様の声に応える。そんな実直な想いとともに、この“社員を大事にする”環境で働けるのはすごく幸せだと思いました。

避雷器以外にも、会社設立の昭和48年からもともと事業としてある積雪計などの屋外情報設備の設計・施工・保守のシステム事業も健在で、会社としては2つの柱で頑張っています。ここ石川から日本を雷害から守るために、全国に営業をして努力を重ねている森長電子株式会社。彼らの熱意から目が離せません。