由緒ある金沢芸妓として伝統を守る
- #Iターン
金沢で芸妓見習いとして芸や作法をまなぶ
今年(平成28年)の3月に18歳で金沢芸妓として「ひがし茶屋街」のお茶屋「藤乃弥」からデビューしました。きっかけは、もともと芸事や歌舞伎など、和の伝統が好きだったから。
故郷の母親が、若い頃芸妓になりたいという夢を抱いていたことから、背中を押してくれました。とはいっても、ツテもなにもなかったので、まずどこで芸妓になれるかを調べることから始めました(笑)。
それで、石川県に芸妓さんがいること、ひがし茶屋街は一見さんお断りの格式を誇り、とても芸のレベルが高いことなどがわかり、茶屋街の検番に直接「金沢で芸妓になりたいと思ってます」と連絡。今のお母さん※に引き合わせていただきました。
※置屋の女将の呼び名
加賀友禅の着物が、ひがし茶屋街のまち並みに映える
不思議と帰りたいと思ったことがない
その時に初めて金沢に来ましたが、出会った人がみな親切だったことと古いまちなみが今も大切に残されていることに居心地の良さを感じ、金沢への移住を決めました。
こちらに来てからは、茶屋街の近くに住居を借り、お稽古中心の生活を送ってきました。
芸の道は厳しいのは当たり前なので悩むこともありますが、日本舞踊や三味線も少しづつできることが増えてくるとおもしろさが増してきました。
おかあさんをはじめ、先輩の芸妓さんもわからないことは親切に教えてくれるので安心して甘えることができます。近所の方もいろいろと気にかけてくれましたし、それこそまち全体で面倒をみていただいた感じで、これまで不思議なほど帰りたいと思ったことはありません。
ひがし茶屋街に並ぶぼんぼり。今年から七葉さんの名前加わった
普段から着物で過ごすことが多いのですが、プライベートは普通の女の子と変わらないと思います。お友達と食事に行ったり、SNSも楽しんでいます(笑) 芸妓姿の印象が強いので、洋服姿で出会ったら私だとわからない方も多いようです。お座敷は夜が多いので、日中はよく21世紀美術館に行き、オープンスペースでイスに座ってぼーっとしていたり本を読んで過ごす時間が好きです。
金沢21世紀美術館/金沢市の中心部にあり、現代アートを展示。国内屈指の人気美術館で多くの人で賑わう
北陸新幹線の開業以来、ひがし茶屋街にも連日たくさんの観光客の方が訪れます。金沢市のイベントで観光客の方の前に出る機会もありますし、茶屋文化を受け継ぐ金沢芸妓のひとりとして、早く中身や仕草も一人前になれるようこれからも精進していきたいと思っています。
金沢の伝統文化の継承者として稽古に励む
ひがし茶屋街/金沢のまちには藩政時代から続く「ひがし」「にし」「主計町」の3つの茶屋街があり、昔ながらのまちなみや茶屋文化が受け継がれています。
金沢芸妓
踊りやお囃子、三味線、歌など、それぞれの師匠のもので稽古を積み、格式とレベルの高さは全国屈指と称されます。
藤乃弥
〒920-0831 石川県金沢市ひがし茶屋街
076-253-3791(照葉)