トップ 移住者インタビュー コーティングで世の中にない新しい技術を創りだす! オンワード技研

2017.12.31
能美市

コーティングで世の中にない新しい技術を創りだす! オンワード技研

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技術者たちがわが社の強み

株式会社オンワード技研はコーティングの専門企業。コーティングというとフライパン、車の塗装の吹き付け塗装するイメージですが、工具金型機械加工用製品にプラズマを使ってコーティングすることにより、すべり易くなり、硬い膜が張るので工具の寿命を約10倍に延ばすことができます。あらゆる工具にこのコーティングを行っており、車のギアーやカメラのレンズの成形金型表面にも施されています。

工具コーティング

「わが社の技術者は、世の中にない新しい技術をどんどん創りだそうとする思いをもっています。それがわが社の強みです。市場のニーズをとらえ自分が創りたいものとその落としどころも理解しており、本当に優秀な技術者がいます。技術革新を進めるため、2004年には『先端コーティング技術研究所』を開設しました。彼ら(研究所員)がいないと今のオンワード技研はないといって過言ではありません」と社長の川畠丈志さんはいいます。事業内容はコーティング加工中心での受託加工。長年培ったノウハウがあり、この会社の行っている高レベルのコーティング技術は、国内では2、3社しか行うことができないものであるとのこと。様々の業種、多様なニーズのお客様に対してどんどん表面処理技術の周辺サービスを提供できるという強みをもっています。また、コーティング加工だけでなく膜や装置の開発もしています。

コーティング技術

小さく繊細な工具もコーティングする技術力

元々は繊維織物業の機屋の川畠家でしたが 父である先代社長が長引く繊維不況を懸念し在庫を持たない仕事をしたいということで石川県工業試験場のプラズマを使った基礎研究に着目し指導のもと方向転換しました。1986年に株式会社オンワード技研を設立し、PVDコーティング装置を導入しました。1台1億円以上、前処理装置も必要で初期投資は数億円かかりました。特殊な技術が必要で4年間は売上げが伸びませんでしたが、その後も自社開発を進め、DLCコーティング装置を完成させるなど、様々なコーティング装置を開発し続けています。
2013年現在、工具金型を使用している取引先は日本全国多岐にわたり420社にのぼります。少量多品種で特殊品、オーダーメイドに対応しロット数は1個から200個の中量数でも加工ができます。また、現在、特許取得も年間1件以上で様々な企業部門で取得しています。

工具のコーティング

工場内は非常にコンパクトで美しい場内環境。プラズマの装置は確かに大きいのですが、取り扱う工具に着ける膜は小さく繊細でミクロンの単位です。工場というより研究室のような雰囲気で、各企業の大事な工具を大切に扱っています。全数検査し、洗浄・表面を磨きコーティングするなど、出荷検査まで細かい作業の連続です。普通なら工場での作業といえば大変危険な作業と思われますが工具中心で取扱いが軽いので女性社員も多く働いており、86名中23名が女性です。

ボトムアップ組織がこれからを支える

オンワード技研社員

新しいことに挑戦するために、製造部門に若手を採用し、様々なノウハウを伝えていきたい。工場長は40代。現場でも40歳前後の人が多く働いており、お互いが個々の役割を認識出きるよう役割分担された職場環境です。「当社はコーティングの技術研究開発に力を入れておりますが、それらの知識や技能は必要としておりません。現場で働く方々は基本的に職場の先輩に仕事を教わりながら一人前になります。当社の求める人材は元気で真面目で細かな作業が好きな方なら誰でも良いと考えております。」そして、オンワード技研は今後、小企業から中小企業へと成長したいので、もっと様々なことにチャレンジしてもらいたいと川畠さんは考えています。

作業

川畠さんは異業種からこの業界に入り、製造部門に10年在籍して2年前41歳で社長になりました。「社長は猪突猛進でどんどん前に進まれるので、社員全員引っ張られています。」と総務経理部長の表正浩さんは話されます。そんな若き経営者の川畠さんは「昨年結婚し、妻と二人で旅行に行くのが楽しみなんです」と恥ずかしげに話す家庭を大切にする優しい男性でもあります。
社員が80名を超えると、オーナー企業にありがちなトップダウン形式でなく、社員が自ら提案、行動し個人が活躍できるようにしていかないといけない。3か年計画で個人個人が意思をもってチャレンジする、ボトムアップの組織にしていく。お客様に、「オンワード技研があったから自分たちの仕事が成り立っている。オンワード技研がなければ自分たちの仕事が成り立たない」と言われるような会社を目指しています。
顧客の期待以上の仕事でお客様に応える。常に仕事を深く考え、現場で必死に働いている人達をみて、今不足しているのは何かを自問自答し、これからの経営を考える。川畠さんは能美市にしっかりと根ざしながら、未来の広い世界を見つめています。

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