トップ 移住者インタビュー 石川は伝統を大切にする、だから新たな伝統が生まれる

2018.07.03

石川は伝統を大切にする、だから新たな伝統が生まれる

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今の暮らし方に満足していますか?

朝早くから満員電車に揺られて出勤し、家に帰るのは日付が変わる頃……という都会での暮らしに、疑問や違和感を感じている方も多いのではないでしょうか。「仕事」の二文字に追われて慌ただしく過ぎていく日々は、食事の時間もゆっくりと取れず、いつもどことなく疲れている感じ。休日の街も人だらけで、リフレッシュのつもりで外出したけれど、くたくたになってしまうこともあります。ひと昔前に比べて都会から地方へ移り住むことが大きく取り上げられるようになり、関心を持つ人も増えています。しかし、地方へ移り住むというと「田舎暮らし」、「自給自足」などのキーワードが目立ちます。

「脱!都会生活」をぼんやりと夢見ていながら、「自分には自給自足なんてできない」「自然が多いほうがいいけれど、ある程度はにぎわう場所がいい」そんな本音もあります。心のどこかで都会を離れてみたいと思っていても、「じゃあ、いったいどこへ?」の問いに立ち止まってしまったことはありませんか?

多くのひとが集まるのに心地よい石川県

海・山に囲まれた自然環境、豊富な食材にも恵まれている石川県。
金沢市を中心にギャラリーや工芸ショップ、カフェも多く、ギャラリーマップを手に街を歩いたり、自転車で巡るひとの姿も見受けられます。訪れる人々は皆、テーマパークでの楽しみとは異なる街の魅力を知っているような雰囲気です。金沢市でカフェ&ギャラリーを併設する陶芸教室「陶庵」では、1日体験教室も開催しています。

金沢ギャラリー陶庵

クラフトギャラリー吉岡正義

「通われている生徒さんたちは、工房の裏で薪割りもするんですよ。そして、自分の作品が焼きあがるとそのカップでコーヒーを飲んだり、自作の抹茶茶碗でお茶会をすることもあります。使ってこその『うつわ』ですからね。」
と陶庵の吉岡正義さん。ここには、手をかけ、時間をかけ、暮らしとつながる「工芸」の楽しみ方があります。
「北陸新幹線ができてから、他県からお越しになる方が増えました。外国の方も多いですよ。」
ここにしかない楽しみを味わおうと、多くのひとが集まります。

心地よさの秘密は「伝統文化」

石川県は多くのひとが訪れているのに都会のような騒々しさを感じないのはなぜでしょう。……それは、多くのひとが「伝統文化」というフィルターを通して集まるからではないでしょうか。雑然とした空気が漂う都会とは異なる、ひとが集まるのに疲れない、上質で落ち着いた心地よさがあります。石川県に移り住む作家さんもいるといい、吉岡さんはこう続けます。「石川県は『伝統文化』に対する行政の理解と協力が大きいからこそ、作り手も、見る人もここに集まるんでしょうね。

北陸新幹線で観光客も増えた

また、移り住んで何か新しいことに挑戦したい人にもふさわしいところだと思います。伝統文化を大切にする石川県だからこそ、新たな『手仕事』が根付くんです。」
都会の生活、はたまた自給自足生活のような両極端な生活スタイルだけではなく、今よりもっと自分らしく過ごせる、心地よい暮らしがきっとあります。ぼんやりと思い描いていた「脱!都会生活」も、きっと夢ではないはずです。

陶芸作業場