トップ 移住者インタビュー 「森の青空アート」からみた、ものづくりのまちの未来

2016.03.27
金沢市

「森の青空アート」からみた、ものづくりのまちの未来

  • #アート

ものづくり作家に発信する場を!

森の青空アート開催イメージ

http://morinoaozora.com/

金沢市では、毎年9月に「森の青空アート」というものづくりイベントがあります。生活者に根付いた、一つ一つ手作りされたものと、作家たちの情熱に触れることができる、という人気イベント。主催者の小杉亜紀子さんは金沢市に在住し「ako style」というデニム素材を使った作品を手がけるクリエイターです。

石川県金沢市は「ユネスコ・クラフト創造都市」に指定されています。ここでいうクラフトとは主に伝統工芸を意味しています。以前は、伝統工芸以外のクリエイターが自分たちの作品を発表する場が少なく、作品自体も趣味程度にしかみられませんでした。「ものづくりのまち」でありながら、そんな現実を小杉さんは悔しく感じていました。

そんな中、小杉さんの思いを共有した仲間たちが集い、発信の場を求めてイベント開催に立ち上がります。今から8年ほど前のことです。金沢駅もてなしドーム地下で開催される「雑貨×作家マーケット」から初まり、その2年後、規模を拡大し石川県森林公園で「森の青空アート」を開催。今年(2016年)第6回目を迎えます。

森の青空アートイベント

http://morinoaozora.com/

森の青空アートでは、使い勝手よく使うほどに味が出てくるもの、存在そのものが豊かな生活を演出するようなアイテム、野菜やフードまで…そんな手作りの思いを発信しています。作り手と使い手を繋ぎ、森の中で、感性に触れ合う人気のイベントとなりました。

その作品にアーティストとしてのプライドは刻まれているか

森の青空アートは、仲間内だけのイベントから始まり年々出店希望者を増やし、今では選考が必要になるほどになりました。小杉さんは、出展者の選考もシビアにポリシーをぶらさず進んできました。「作る事は自分を表現するアートというもの。自分の内面にあるものを出していくもので、ただ、ものを作るのではない。自分の表現したいものが作品に現れることだと思うんです」と言います。そのポリシーのため苦労もしましたが、そうした時期を乗り越え「やってきてよかった」と思う今があります。

「普段、なにげなく使っているもの、なにげなく食べているもの、それには誰かの想いがこもっている。作家との出会いも含めて、大切にしてほしい」

小杉さんは10年、20年先のものづくりのまちを見つめながらイベントは若い人たちを中心に構成したいと思っています。今はボランティアで参加してくれている文化服装の学生さんたちに直に作品で生活する作家たちを見てほしいですし「子供たちが自然の中でのびのびと遊ぶ姿を見るのが、本当に嬉しい」といいます。

ものづくりのまちの未来

acostyle

金沢モノづくりの街

小杉さんの「アート」はジーンズの微妙な色合いを組み合わせます。バックやエプロン、コサージュをひとつひとつ丁寧に繋ぎあわせる。この色の組み合わせこそ、人真似の出来ないもの。色合いは直感的に選ぶそうですがそこに小杉さんの個性が光ります。
「色のコントラストが好きで、空をよく眺めます。きれいな青空もあれば、どんよりしたグレーもある。写真を撮るとつい空の比重が多くなるんです」アーティストのフィルターを通して作品は生まれます。

森の青空アートも形は違えど、小杉さんとその仲間が生み出した一つのアート。参加した一人一人の個性が組み合わさり、これから先の石川県のものづくりの土台を広げると考えています。それは作家たちにとって住み良いまち。ものづくりで面白い事を一緒にできるベースがあればこそ。小杉さんと「森の青空アート」は、この街のものづくりの未来を見ています。

acostyle小杉さん