「調べ尽くして」選んだ、家族にちょうどいいまち
- #Jターン
ワーク・ライフバランスコンサルタント
山﨑 純平さん
コロナ禍による働き方の変化をきっかけに移住を決意し、かほく市で理想の暮らしを実現した家族がいます。仕事とのバランスを取りながら子育てを楽しむ日常や、地域との関わり方について聞きました。
働き方の変化が導いた新天地
「こんなに大きなスイカが取れた!」夏の庭に響くのは、額に汗をにじませスイカを持ち上げる長男・晴くんの声。つるを切った弟の凪瑳くんも誇らしげです。その様子を、純平さんと桃子さん夫妻が温かいまなざしで見守ります。

誰が一番多く撮れたかな?
山﨑さん一家が暮らすのは、海と山に囲まれた自然豊かな石川県かほく市。この日は自宅の庭で育てたスイカのほか、ミニトマトやオクラといった夏野菜を収穫しました。
かつて純平さんは、栃木県の自宅から東京の職場まで片道2時間かけて通勤していました。しかし、コロナ禍を機に働き方がフルリモートに移行。都心に毎日通う必要がないと実感し、会社に籍を置いたまま故郷の石川県へ移住することを決意しました。
背景には、ちょうどその頃に凪瑳くんが誕生して、「子育ては親の近くで」との思いが強まったことがあります。さらに、企業の働き方改革をコンサルティングする仕事柄、自らもワーク・ライフバランスを実践したいという気持ちも後押しとなりました。
現在、純平さんのワークスペースは自宅にあり、通勤時間がなくなった分、自然に囲まれた環境で家族とゆったりと過ごす時間が増えました。「勇気を出して移住して本当に良かったです」と目を細めます。

「仕事部屋が持てたのもうれしい」と純平さん
まちづくりにも積極的に
移住にあたって純平さんは「後悔したくない」と、ウェブサイトや移住体験ブログなどを徹底的に読み込み、自治体ごとの支援制度や住環境を比較検討しました。特に目を引いたのが、かほく市の手厚い移住支援制度です。「土地価格も金沢市に比べて安く、将来家を建てることを考えると、ここが最適だと思ったんです」
決め手となったのが、ILACのオンラインイベントでした。「先輩移住者が話していた『子育てにいいまち』という言葉に強く引かれました」と振り返ります。
そして2022年5月、山﨑さん一家はかほく市のアパートへ転居しました。家づくりに向けては市内をくまなく巡り、気になる土地があれば売り出し中でなくても不動産会社に交渉もして、23年11月に理想の土地と家屋を手に入れました。
新しい生活は一家にたくさんの笑顔をもたらしています。桃子さんにお気に入りの場所を聞くと、市内の七塚中央公園を挙げてくれました。県内最長の83メートルの滑り台に子どもたちは大喜び。桃子さん自身も「この公園からは見える海と、水平線に沈む夕日に心が癒やされます」とほほ笑みます。
一方で、地域での交友関係づくりは簡単ではないと夫妻は率直に語ります。純平さんは「移住者に助言するメンター制度や交流イベントを、自治体が主導してくれると安心」としながらも、まずは自ら行動しようと25年8月に移住者交流会を企画・実施しました。「移住者の視点で、できることを少しずつやってみたい」。まちづくりへの関わりも、これからますます深まっていきそうです。

北陸ならではの積雪に大興奮!
いしかわ移住のホントのところ
山﨑さんに「移住前」と「移住後」のお財布事情や、1日の過ごし方を振り返っていただきました。さらに、定住に至るまでの経緯を時系列でご紹介します。リアルな体験談をぜひ参考にしてください。
お財布事情

家の購入で負担増も光熱費は削減
賃貸から持ち家になることで支出が増加しましたが、オール電化+太陽光発電で公共料金は抑えらえるようになりました。貯金の代わりにNISAでインデックス投資をすることで、インフレに強い資産形成を心がけています。
1日の過ごし方

通勤時間がなくなり時間にゆとり
移住前は毎日、栃木-東京間の通勤で往復4時間かかっていましたが、完全テレワークへの移行と移住によって日々の生活に4時間分のゆとりが生まれ、保育園の送り迎えの担当ができるようになり、筋トレや趣味の時間、睡眠時間も増えました。
移住までのスケジュール

移住者へのメッセージ
後悔のない移住のためには、しっかり調べて納得したうえで行動することが大切だと思います。ILACではインターネットだけではわからない情報もたくさん得られますよ。移住への不安に寄り添い、背中を押してくれる心強い存在なので、ぜひ相談してみてください!

笑顔の絶えない石川県生活です