NiceRicedeSmile!みんなに安心と笑顔を届けます!/能美市・岡元雅子さん
結婚をきっかけに農家へ
石川県の南部にある能美市で、お米と加賀伝統野菜の「加賀丸いも」を作っている(有)岡元農場の岡元雅子さん。農家になったきっかけは、専業農家のご主人のもとへ嫁いだことでした。金沢の建築事務所で設計の仕事をしていた岡元さんは、結婚後も、家の仕事を手伝いながら設計の仕事を続けていました。
数年後、子供が生まれて母親になった岡元さんは、子供がすこし大きくなった頃にアルバイトで設計の仕事を再開しました。しかし、仕事に家事、子育てとやることはいっぱい。自宅でもできる図面描くは、夜中や休日の隙間時間にやることも多く、忙しい毎日を過ごしていました。
そんな日々を過ごしているうちに「休日も私だけちがうな・・・」と、だんだん家族との時間のずれを感じるように。「家族と同じ時間を過ごしたい」そう思った岡元さんは設計の会社を辞めて、家族と一緒に農業一本で働くことを選びました。
手取川がもたらした加賀のまぁるい宝物
岡元さんの畑では、ちょうど、丸いもの収穫時期を迎えたところ。畑の周囲は解放的で気持ち良く、正面には存在感ある雄大な白山連峰が広がっていました。畑に着くと岡元さんは、持ってきた棒を使って丸いもを掘って見せてくれました。土の中から、男性の拳ほどある大きな丸いもがごろごろとたくさん出てきます。
岡元さんが住んでいる能美市は、白山から流れる手取川の扇状地で、昔起きた手取川の氾濫によって流れ込んだ川砂と粘土質の土が混ざっている地域なんだそうです。また、日本海から流れてくる潮風に含まれている豊富なミネラルが、美味しいお米や野菜を育てるそうです。
その中でも、丸いもは、同じ地域でも土壌の条件が揃った一部の場所でしか作れないとのこと。しかも、1個の種芋からひとつの芋しか採れません。
そんな丸いもを、両手に持って「宝物なの!」と笑顔いっぱいの岡元さん。
とってもキュートで、ひとつひとつを大切に育てているのがすごく伝わってきました。
伝えることの大切さと伝える楽しさ
現在、ホームページ制作やネットショップの担当をしている岡元さん。もっとたくさんの人に作っているお米や丸いもを知ってもらい、食べてもらいたいと、栽培のことや食べ方などの情報の発信にも力を入れています。
お米や丸いも作りについては「誠実な栽培をして、正直に伝えるようにしています」と話す岡元さん。農家にしか見えないこと、農家だからこそ伝えられること、どんなものを使用してどのようにお米や丸いもを育てているかなど、良いこともそうでないことも正直に伝えています。
また、これからどんどんやりたいことは、「お米や丸いもを使ったレシピ作り」とのこと。
「どうやって食べるの?と食べ方をよく聞かれるので、もっとたくさんレシピを作って、食べ方を伝えたいです」と岡元さん。
ホームページでレシピを紹介したり、レシピカードの作成、直売所では、岡元農場のお米を使った飾り巻き寿司のワークショップなども行なっています。和のイメージがある山芋ですが「もっと色んな楽しみ方もあるはず!」と新しい食べ方も研究中とワクワクした表情で話す岡元さん。
今は、ケーキやクリームなど、丸いもを使った洋菓子にもチャレンジしているそうです。農業を通じて、伝えることの大切さと、伝えることの楽しさを感じている岡元さんは、みんなに安心と笑顔を届けたいと、能美でおいしいお米と丸いもを作っています。