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100の実験でひとつの成功を繰り返すのは、高松油脂でまだ世にないものを創るため

さまざまな加工剤を生み出す技術


能美市で創業60年を越える高松油脂株式会社。温和な笑顔と知的な雰囲気が漂う研究開発部部長の稲場さんは、入社35年で当初から研究開発部に所属しているベテラン研究員です。高松油脂は繊維製品に機能を加えるための加工剤を製造するメーカーとしてスタートし、現在ではプラスチックフイルムや紙など広く対応できる加工剤の開発・販売を行っています。

研究室

高松油脂が研究開発している加工剤は、繊維製品の柔軟仕上げや吸水性、帯電防止などの機能を加えるものから、プラスチックフィルムや紙に加工し、各種印刷インクが綺麗に耐久性をもって印刷できるようにするものなど様々です。身近なところではペットボトル周りのフイルムや年賀状のインクジェット紙に使用されています。加工剤の効果によって家庭用のプリンターでも印刷でき、印刷部が水で流れるということがないのです。使用できる資材は繊維、紙、フィルムなど多くの素材に対応しています。

目の前のことに集中すること


現在13名が所属している高松油脂の研究開発部は、さらなる組織強化のために人材を募集しています。

「100の実験で成功するのは本当に1つあるかないか程度なんです。研究室では研究者それぞれがコツコツと粘り強く実験を続けています。これまでのノウハウを引き継いで実験していますが、新規開発にマニュアルといったものはありません。自分で考えて作りこむことこそが重要なんです。」

大学への求人チラシには、『表面・界面をデザインする研究開発職を募集』との文字が書かれていました。表面・界面をデザイン?「デザイン」という言葉にちょっと不思議な感じを受けました。その意味を聞くと「自分の考えを具象化する。それがデザインするということ」だそう。イメージしたものを具現化していくことに喜びがある。ただし、化学のデザインは思ったように進まないことが多い。それでも諦めずにずっと粘り強く続けていける若い人材を求めています。

「お客様からの要望に応えるために何百という試作品を作ることもあります。ときには試作中に新たな要望が出ることがあり、当初考えていたものとは異なる製品が生まれることもあります。こういったお客様とのキャッチボールはとても大切なことなのです。今は時代も変わり若い人に教えて繋ぐだけでは新しいものは生まれません。化学の世界は35年も経つと理論も変わっていきます。技術を繋ぐだけなら今いる年代で十分対応できますが、市場は変化しお客様のニーズも多様化、高度化しています。このような時代の変化に応えるためには、若い感性が必要となります。若い人しか思いつかない新しい発想が欲しい、そのために私たちは支援をしていきたい。」

高松油脂研究員

そう話す稲場さんも、営業担当と一緒にお客様に自ら商品の説明をします。
「研究開発した商品でお客様が満足してくれたときが一番嬉しい」
と研究者の顔もみせてくれました。
 

豊かな自然環境に恵まれて


高松油脂研究開発室

日々多くの研究が行われる研究室はとても静かです。研究室の窓からは日本海が一望でき、近くには日本のなぎさ100選に選ばれた美しい小舞子海岸が広がっています。2階から4階のフロアを研究開発部がゆったり使っていて、様々な測定器やビーカーなどの機器が整然と並べられていて実験の検証に必要な小部屋もあります。

研究室2

高松油脂の特徴は、離職率が少ないこと。経営が安定していて、残業が非常に少なく年間休暇が多いので、多くの社員が休日を十分に楽しむことができます。社員自らの自発的活動に支援を惜しまないそうで、「うちの社長は儲かったら社員に還元することが重要といっています」と稲場さん。ニッチな分野での強みがこのような会社経営を可能にしているだと思いました。

紙、布、フィルムなど多様な素材にマッチした加工剤によって、新機能や付加価値を生み出す、まだ世にないものを創る、という喜び。そんな喜びを社員で分かち合う会社、それが風光明媚で住みやすい能美市にある、環境保護に配慮した原材料にもこだわる高松油脂株式会社です。
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