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人材はシェアする時代へ、七尾で見つけた新しい移住のかたち/後編

移住・定住スタイルの変化―人材はシェアする時代


この数年インターンシップに来る人に、社会人が増えています。東日本大震災直後、東京を離れたい人の増加や地方創生の動きもあり、社会人向けのプログラムの受け入れ地域として、能登が選ばれていることも要因となっています。森山さんは、「これからの移住・定住スタイルが変わる」と言います。その例として、昨年夏、東京在住の外資系コンサルティング会社に勤める20代後半の女性が、「100日間プログラム」に参加しました。彼女は、シニアコンサルタントという役職をもち、社内では大きなプロジェクトに関わる人でしたが、企画提案はできても、実際に動くところまではいかないジレンマを抱えていました。

しかし、このプロジェクトでは、企画立案から最後動きだすところまで一連に関わり、高いポテンシャルでプログラムを完遂することが出来ました。そして、彼女は大きな達成感を得て、東京に戻り、現在もこの企画に携わっています。「これは、彼女の持つスキルと、私たちの持つ“ソーシャルキャピタル”があっての成果。これからは、移住はあっても定住しない人が増えます。力のある人は、仕組みをつくって拡散し、実際動いている現場に移動していく」

「だから、人材はシェアする時代なんです」と森山さんは言います。そして、進化を続ける取り組みのどこかで、多くの人が関われる場をつくることや、価値観が多様化している中で、お金でない価値を、どんな評価軸で表現していくかを森山さんは考えています。

“能登の旅”何度でも


「いきなり移住と言っても難しいものです。そこで考えているのが、“能登の旅”。旅の延長線上で能登が身近になり、興味を高めてもらうような間口を広めていきたい」と、岡本さんは思っています。
・旅のプログラムを自社商品としてつくり、人生の中で何度か能登に関わる期間を設け、中学生・高校生から長いタームで、地域課題に関われる機会をつくること。
・増える“研修旅行”のオーダーに向け、「仕事巡りツアー」「御祓川まちづくりツアー」など、希望に応じての案内や、外国人を呼び込むこと。
・「サイクルツーリズム」「リノベーション物件巡り」「食の魅力を伝える」など企画をすること。
いろいろな人に能登の魅力を知ってもらうために奮闘中です。

まちの“らしさ”を守るために変わっていくもの


「まちづくりとは、老舗論というか“不易流行”。つまり、本質的なものを維持するためには、“~らしさ”が問われます。“らしさ”を守るためには、周りが進化しなければ守れないのです」こう話す森山さんは、「まちづくりと祭りとは、考え方が同じだ」とも言います。
祭りは、何百年レベルで続いているもの。そのうち自分が携われる時間は数十年ですが、次の世代につないでいかなければいけない。「自分の寿命より長いことに携わっている」という感覚は忘れてはいけないものです。成功させるためには、さまざまな関わり方があります。時間と労力を惜しまず楽しんでリードする人もいれば、見て楽しむ人。汗水流しながらしっかり携わる人もいれば、寄付をする人…、人それぞれの関わり方があってこそできるものです。この凝縮されたシステムが、「まちづくりの在り方」そのもの。大きなものを動かしている感覚と、みんなが喜んでそれに関わっていける関係性が同じなのです。このシステムをまちの中につくり続けたい。私たちの会社があることによって、皆さんが「私の関わり方はコレだ!」と思えるように、その行動をサポートしていくために、「御祓川大学」を2015年10月4日に開講しました。自分もプレイヤーでありながら、地域の人が動きやすい環境にする。そのための“ソフトインフラ”をつくるためにスタートした事業です。

「自分らしさ」の充実とまちとのつながり


・自分を構成している要素はいくつかあり、仕事だけではなく、関わっている活動・仲間・暮らし方…そしてこの街に関わっていることが、自分らしさ。
・“らしさ”が充実し納得があってこそ、幸せな状態。そこにコミュニティのつながりを感じ、自分のやりたいことで地域が少しずつ変わる実感を得られることが喜び。
・皆さんの良いパートナーになれたら幸せです。
森山さんの熱いメッセージが響いてきました。

“能登の旅”七尾のまちで、「自分らしい生き方」見つけてみませんか!

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