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農業×アート可能性は無限大!好きな分野をつないで農業をもっと楽しみたい/金沢市・田中礼奈さん

おじいちゃんの農園を引き継いで



金沢の市街地から少し離れた山間に、湯桶温泉へと続く「ゆず街道」と呼ばれる道があります。ゆずの季節になると、黄色い鮮やかなゆずが、たわわに実って爽やかな香気に包まれます。ここで、金沢ゆず、ヘタ紫なす、白ネギなどの野菜をご家族と育てている田中礼奈さんは、まだ25歳と若く、黒髪のボブヘアーがとっても似合う女性です。

のどかな金沢の里山でずっと暮らしてきた田中さんは、小さな頃から祖父母が営む「きよし農園」で、畑の土に触れながら育ちました。田中さんが農業を始めたのは23歳の時。亡き祖父のきよしさんが病気になり、農作業ができなくなったことがきっかけでした。



おじいちゃんの農園を残したい。

「金沢をゆずの名産地にしたい」
「伝統野菜のヘタ紫なすを守りたい」

という祖父きよしさんの想いと共に、農園を引き継ぐことを決めました。

芳醇な香りが魅力・石川の気候が作り出した「金沢ゆず」



農園を引き継ぎ、きよし農園の代表となった田中さん。農業は未経験で知識がなかったので、周りの生産者の方々に栽培方法の基本からたくさんのことを、教えていただきながらのスタートでした。



田中さんのゆず畑には、大きな木や、まだ植えたばかりの小さな木が植わっています。今、少しずつ畑を増やしているそうなのですが、ゆずは良い実を付けるのに5年、大きな木に育つまでに20年もかかるそうです。

ゆずの収穫が始まると、家族が協力して収穫作業を行います。大人の背丈以上ある木に生っているゆずは、長い棒状のハサミを使って収穫します。収穫されたゆずから爽やかな良い香りが漂ってきます。





金沢ゆずは、皮が厚く、表面がゴツゴツとしているのが特徴で、「この辺りは寒暖差があるので、皮が厚くて香りが強いゆずが育つんです」と教えてくれた田中さん。高知県でも栽培されているゆずと同じ品種ですが、金沢で育てると、気候の違いから地域独特の特徴をもったゆずがとれるそうです。

金沢ゆずと石川の伝統工芸品



金沢をはじめ、石川県には江戸時代に百万石の町として栄え受け継がれてきた輪島塗や九谷焼き、加賀友禅など、焼きものや染物などの伝統工芸品がたくさんあります。田中さんは、デザインやアートに興味があり、美術館などにもよく足を運ぶそうです。

「農業を軸として、好きな分野と分野をつないで何かやってみたい」と話す田中さん。



以前、知り合いの加賀友禅の作家さんにお願いして、ゆずを使った草木染めの「のれん」を作ってもらったことがあり、材料にはゆずの葉を使いました。淡い黄色に染まるので、この草木染めで服を作ってみたいと言ってくれている方もあります。

また新たに、ゆずの枝を陶磁器の釉薬にできないかと、地元の陶芸作家さんとチャレンジしているとのこと。「農業とアート」と聞いた時、最初はどんなことなのか想像がつきませんでしたが、様々な可能性があることを知りました。

「農業と野菜の可能性は無限にある」という想いを持つ田中さん。持前のクリエイティブなアイデアを光らせながら、これからどんどん「楽しいこと」を金沢より発信していきます。
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